2020京王杯スプリングカップ G2 回顧
マスク着用がニューノーマルな世界になったら、多くの人が菌との共存が出来ない人間になりそう。生体防御の主役である免疫力が低下して、将来的に病気にかかりやすくなってしまうのでは。
さて、今週は京王杯スプリングカップとヴィクトリアマイルを予想したので回顧を行う。
まずは、京王杯スプリングカップから。
初めに、事前予想を振り返る。
JRA芝近4走最大指数
1位 ダノンスマッシュ 81 B
1位 タワーオブロンドン 81 C
3位 ステルヴィオ 77 B
4位 グルーヴィット 76 B
4位 ナランフレグ 76 回避
4位 ドーヴァー 76 B
7位 ストーミーシー 75 B
7位 ライラックカラー 75 B
7位 レッドアンシェル 75 A
10位 セイウンコウセイ 73 B
10位 ケイアイノーテック 73 B
10位 ラヴィングアンサー 73 A
10位 アルーシャ 73 ヴィクトリアマイルへ
10位 エントシャイデン 73 B
15位 キングハート 72 回避
16位 ビリーバー 70 回避
16位 ショウナンライズ 70 B
続いて最終予想と買い目を振り返る。
◎ストーミーシー
◯グルーヴィット
▲レッドアンシェル
単勝 ◎ 200円
複勝 ◎ 600円
馬連 ◎ー◯ 100円
ワイド ◎ー◯ 300円
馬単 ◎→◯ 100円
三連複 ◎ー◯ー▲ 100円
三連単 ◎→◯→▲ 100円
計1500円
全て本命のストーミーシー絡みの馬券。▲レッドアンシェル絡みの馬券は200円のみで、ここはおまけだ。
京王杯スプリングカップ
— K1600 (@K16005) 2020年5月16日
◎ストーミーシー
○グルーヴィット
▲レッドアンシェル
本命はストーミーシー
先行馬が残りそうな馬場で差し馬が多い中、先行すれば展開的に向くと判断。
対抗にグルーヴィット
中段ぐらいで運んで欲しい。
3番手に状態の良さそうなレッドアンシェルだが、ここはおまけ。 pic.twitter.com/OnbGypJi1h
予想の意図を書いていこう。
まずは馬場だが、雨の影響もあったが時計の出る高速馬場だった。そして、異常なほどに前残りの馬場だった。したがって、前目に位置取れる馬で高速馬場で好走できる馬を選択していった。(事前の記事では道悪想定だったが、当日の馬場を見る限り雨の影響は薄いと判断した。)
◎ストーミーシー
指数ベストが前走の75で能力的には今ひとつだが、近走先行脚質で能力を開花していることもあり、今回の前残り馬場は向くと判断した。さらに、展開的にも先行馬不在で差し馬が多い。前に行けば、馬場と展開の恩恵で残れるのではと判断した。また、前走はマイル戦を1200m通過1分8秒7のハイペースを刻んでおり、先行力に不安はなかった。ベスト更新で76程度まであると予想し、人気も薄かったので期待値込みの本命だ。
◯グルーヴィット
前走ベスト更新の76。前走は後方からのレースになり脚を余してしまったので、先行力にはやや不安が残ったが、1400mなら中段程度で競馬してくれると予想した。ベストタイの76程度が出ると予想した。
▲レッドアンシェル
指数ベストは75。前走は脚部不安で度外視可能として、今回は追い切りから状態が良さそうだった。先行できる点を評価し、ベスト程度の75程度で走れる可能性もあったので抑えた。
以上のように、指数75以上を見積もって印を打った。
持ち指数75以上で消した馬について、消した理由をコメントしていく。消した理由として、期待値的に消すに値すると判断した馬もいる。能力的に普通に好走してもおかしくはないので、馬券のメインは複勝ワイドなどになっており、仮に下記の馬が好走しても、的中できるように組み立てた。
ダノンスマッシュ(ベスト指数81)
近3走全て出遅れ。前走はリカバリーして折り合いを欠いており指数は67と低値。能力はあるが、人気しているし、期待値的にも上記理由で十分消すに値する。
タワーオブロンドン(ベスト指数81)
ベストは昨年の秋のこと。今年に入ってからは73以下の低値。馬が終わったと判断して消した。
ステルヴィオ (ベスト指数77)
2走前までは能力通り走っていたが、前走71と低値。能力が下降線に入っていることもあり、既に好走できる力がない可能性もあった。人気していることもあり、期待値込みで消し。
ドーヴァー(ベスト指数76)
ベスト時不良馬場で、今回の高速馬場では問われる適性が180度異なる。能力が発揮できないとして消し。
ライラックカラー(ベスト指数75)
後方からになるので、今回の先行有利馬場では差し遅れると判断して消した。
結果は、
1着 ダノンスマッシュ 無
2着 ステルヴィオ 無
3着 グルーヴィット ◯
4着 ラヴィングアンサー 無
5着 セイウンコウセイ 無
ということで、本命ストーミーシが7着に終わり、馬券は全てストーミーシー絡みなのでハズレだ。勝ち馬指数は78だ。G2としては平均的なレベルであった。
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レース内容
まずは、レースを振り返る。
馬場は結構雨が降ったにも関わらず、時計の出る超高速馬場。勝ち時計は1分19秒8。この雨量でこの時計が出るようでは、今の東京競馬場は水捌け最強だ。
ラップタイムは、12.4 - 11.5 - 11.3 - 11.5 - 10.9 - 10.9 - 11.3だ。
前半600mー後半600mが、35.2秒-33.1秒。
2.1秒後傾で、明らかなスローペース。馬場的にも先行有利だが、ペース的にも先行有利であった。上がり3Fはダノンスマッシュでもあるが、逃げたダノンスマッシュが3F33.1秒を刻めるレースでは後方に居てはどうしようもないレースだった。実際に前に居た4頭が、1,2,3,5着と上位独占だ。
また、ラップの赤字で示した残り3Fが最も早くなっており、明らかに瞬発力適性のみが問われたレースと言える。上がり3Fが最も遅いドーヴァーでも3F33.5秒で走れており、どの位置からでも早い上がりを使える馬場であり、先行して前にいればどの馬でも好走できただろう。ポジションは前であればあるほど良く、ほぼ位置取りで着順が決まったと言える。能力通り決まったとは思えない一戦だ。
予想としては、先行有利の高速馬場適性重視は組み立てとしては良かったが、本命のストーミーシーが先行しないなど、各馬分析の部分でハズレてしまった。詳しくは各馬の回顧で書いていく。
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1着 ダノンスマッシュ
「レーン騎手の好騎乗だった。」
レースを振り返る。近3走続けて出遅れていたが、今回はスタートが決まった。大外枠で最後の枠入りだったのも、良かったのだろう。とは言え逃げるのは想定外だった。確かに前であればあるほど良い馬場なので、逃げが最善手ではあるのだが、普通はなかなか出来ない。先行有利馬場を見抜いた上でそれを実行に移すところまで、さすがレーン騎手と言ったところか。
実際、スローペースで逃げて上がり3F33.1秒を刻むことが出来たので、後続は為す術もなしで、ポジション取りの時点で勝ちが決まったようなものである。
さて、今回の指数は78である。ベストの81には及ばなかったものの十分高値ではあり、G2としては十分なレベル。ただし、ハナを切って馬場の恩恵を最大限受けた割には物足りないし、G1でこの指数では勝負にならないだろう。
さて、今回はレーン騎手の好騎乗での好走であり、次走は確実に鞍上弱化。今回はゲートを出たが、近4走で3走出遅れているように、出遅れる確率の方が高いし、逃げなければ折り合いを欠く不安も残っている。今回の指数も平凡だし、今回の好走で次走人気するようなら危ないだろう。
2着 ステルヴィオ
「先行して馬場の恩恵を受けることが出来た。能力的には下降線。」
平均的なスタートからじわじわ位置を押し上げ4番手の位置を確保した。そしてそのまま馬場の恩恵を受けることが出来ての好走だ。今回の指数は76。事前予想でも書いたが、3歳秋のマイルCSで指数80を出し、そこがピークであった。昨年夏までは80ほどを維持できていたが、近走と今回を見る限りやはり下降線に突入しているだろう。馬場と展開が向いて76では過去と比べたら物足りないために、そういう判断が可能だ。
さて、現状では76が最大限の能力だろう。この能力で勝てるのは低レベルG3までだろう。今回で現状の能力を測ることが出来、能力下降線が明らかになったので、次走以降あまり期待出来ない。
3着 グルーヴィット
「先行したデムーロ騎手の好騎乗。」
スタートはかなり良かった。そして、デムーロ騎手が結構押して出していき、2番手のインを確保した。前走は後方から脚を余しているので、あまりポジション取りは期待出来なかったのだが、デムーロ騎手が、今の前が止まらない馬場を見抜いての前に行ったのだろう。そのままスローペースの流れに乗り、前にいた恩恵を受けて3着と好走だ。
今回の指数は75で、ベスト時の76に匹敵する指数で好走と言える。とは言え、能力的には上昇中だったし、展開利を受けたことを考えると若干物足りないか。これで、近2走は安定傾向と言えるが、まだ成長が止まったと判断するには早いので、次走再び見てみたい。
また、これまでの指数1位の中京記念は77。指数2位は高松宮記念の76である。中京記念は持続ラップだったし、高松宮記念もそれなりに時計のかかる戦いだ。今回の指数を見る限り、今回の瞬発力勝負よりも持続力勝負の方が向いているのではないか。もう少し時計のかかる馬場で期待。
4着 ラヴィングアンサー
「高速馬場の瞬発力勝負が向いての好走。」
好スタートから位置を下げてほぼ最後方の位置取り。今回の馬場と展開では物理的には届きようの無い位置なのだが、そこから上がり最速の3F32.4秒の末脚で猛然と追い込んできた。位置取りの割によく頑張ったと言える。
仮に前に居ても、今回のスローペースでは同様の上がりを使えた可能性もあり、位置取り面が非常に悔やまれる。
さて、指数は76で近4走ベストを3ポイント更新だ。好走要因は高速馬場の瞬発力勝負が向いていたことだろう。過去にも東京1400mで、レコードに0.1秒差に迫る1分19秒5で走っていることもあるが、このようなレコード馬場が得意ということだ。
今回も2.1秒後傾ながらも、勝ち馬のタイムはレコードに0.4秒差であり、実質レコード馬場と言っていい。このような馬場で好走できたということで、高速馬場ならば今後も狙っていきたい。ただし、レコード馬場にならない限り再現性は薄いだろう。
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5着 セイウンコウセイ
「先行有利馬場の恩恵を受けたが、瞬発力勝負は合わなかった。」
好スタートを切り、2番手の外を確保した。位置取り的には良かったのだが、直線伸び切れず5着まで。今回の指数も75と平凡だ。過去にはG1高松宮記念を80の高指数で制していることを考えると、物足りない。要因としては、タフな馬場で好走してきた馬でもあるので、今回の高速馬場の瞬発力勝負は向かなかったことだろう。また、能力的にはピークを過ぎているので、能力が足りなかった部分もあるだろう。
今後だが、まず近走の指数では重賞では足りないので、基本的には買う必要はない。
6着 ケイアイノーテック
「後方から差し遅れてしまった。」
スタートは5分だが、位置取りを下げてほぼ最後方からの競馬。今回の馬場でこの位置では物理的に届くはずもなく、差し遅れて敗戦。ただし、絶望的な位置から上がり2位の32.5秒で追い込んで6着まで来ているあたり、能力はある。
今回の指数は74だが、差し遅れているので、実際の能力はもう少し上だろう。ただし、この馬はほぼ100%差し遅れる馬なので、今後も能力を発揮できるレースになることは考えにくい。基本的には相当差しが決まる馬場にならない限り消しで良い。
7着 ストーミーシー
「後方で物理的に届かず敗戦。」
スタートはやや悪かった。そこから位置を押し上げれば良かったのだが、その様子もなく中段での競馬となった。能力的には足りないので、前にいて先行有利馬場の恩恵を受けることを期待して本命にしている。そのため、位置が取れなかった時点でハズレを確信した。
近2走は横山武史騎手への乗り替わりで先行脚質に転換していたので、今回の田辺騎手への乗り替わりは明らかにマイナスだった。能力的に足りないのだから、前に居て馬場の恩恵を受けて着を拾わないといけない立場であるのに、中段から外を回す王道競馬で、明らかに無策の騎乗だった。乗り替わりで、評価を下げるべきであった。
さて、指数は72と低値。やはり能力的には重賞で戦える馬ではない。今回のように馬場の恩恵を受けることを想定する以外に、買うタイミングはないだろう。
8着 タワーオブロンドン
「能力がピークを過ぎている。」
そこそこ前目の位置を取れたので、位置取り的には好走できるはずなのだが、直線全く伸び切れずに大敗だ。高速馬場で早い上がりでの好走実績もある馬なので、今回の凡走は明らかに能力が足りないことを示している。指数は72で、近3走続けて73以下の低値となった。
3走前のオーシャンステークスの回顧からずっと書いているが、昨年の夏にピークを迎え、それ以降は能力が下降線に入っているという認識で間違いない。次走以降も、重賞では足りないので買う必要はない。
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9着 エントシャイデン
「位置が取れずに、脚を余して敗戦。」
位置取りは中段程度だった。上がり3Fは33.1秒と勝ち馬と同タイムではあるが、この位置からでは届きようがなかった。位置取りが前なら掲示板ぐらい前ではあっただろうが、それでも能力的に足りていない。
指数は今回が72で、これで近3走は71〜73と安定傾向だ。能力的にはオープン特別までだろう。
10着 ショウナンライズ
「位置が取れずに、能力も足りずに敗戦。」
中段程度の位置取りだった。能力も足りない中でこの位置からでは届きようがなく、順当に敗戦。指数も70と低値で、3勝クラス並み。オープン特別でも足りないだろう。
11着 レッドアンシェル
「位置が取れずに敗戦。能力もベスト時からは落ちている。」
位置は中段程度。もう少し前目で競馬できるかなと思っていたが、思ったより後ろになってしまった。しかし、結局中段からでも伸び切れていないので、単純に能力面で足りなかったと言える。今回は追い切りが抜群で、昨年ほどの走りができる可能性に期待したのだが、1年経つ間に能力が落ちていたようだ。今回のレースを持ってピークを過ぎたと判断したい。今後、買うことはないだろう。
12着 ライラックカラー
「後方から物理的に届かず敗戦。」
ほぼ最後方からの競馬になった。上がりタイムは33.1秒と好タイムではあるのだが、逃げた馬でもこのタイムが出せるレースであり、ほぼ最後方の位置取りからでは物理的に届きようがない。度外視可能の敗戦と言える。
この馬も常に最後方からの競馬になるので、展開がはまる可能性は極めて低いので、基本的は買う必要がない。かなり差しが決まると判断した時だけ買えばいい。ただし、能力的にはオープン特別レベルまでか。
13着 ドーヴァー
「最後方から物理的に届かず、高速馬場も合わずに敗戦。」
出遅れて最後方からの競馬になった。この位置では、今回の馬場では勝負にならず敗戦。
しかし、結局直線では全く伸びれていない。この馬の指数ベストはドロドロの不良馬場で差しが決まるレースだったことを考えると、高速馬場で前が残るレースは真逆。舞台も合わずに力を発揮できなかったと言える。
この馬は、差しが決まらないと好走できない馬だし、能力的にも足りないので、基本的には消しでいい。
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まとめ
前にいればどの馬でも馬券内になだれ込めていた馬場あり、全く能力で決まったとは言えない一戦だった。やはり、能力よりも位置取りで決まってしまうレースはつまらない。
馬券としては先行有利馬場で前にいることが良いと予想したまでは良かったが、選択した馬が前目の位置取りを取ることができなかった。本命を打ったストーミーシーは乗り替わりを懸念するべきだった。また、レーン騎手やデムーロ騎手のように、近走先行していない馬で前目の位置を取りに行く策は見事であった。こういう特殊な馬場では保守的な日本人騎手より、思い切って前に行ける外人騎手の方が良い。
各馬の今後だが、今回は能力で決まったレースではないので、今回の着順は無視でいい。前にいることができて好走した馬は若干割引で良いし、後方から差し遅れた馬は今回の着順を度外視で良い。
1着ダノンスマッシュは逃げて馬場の恩恵を最大限受けての好走だが、その割には物足りない指数だった。長いことピークを保っているが、そろそろ出来落ちを疑い始める時期かもしれない。また、出遅れリスクや折り合い不安が解消されたわけではない点もあるし、次走は鞍上弱化だろうから、考慮したい。
2着ステルヴィオは先行して馬場の恩恵を受けて76であり、これが今の限界である。ピーク時の80からは能力が落ちていると判断できる。先行有利馬場の恩恵を受けて76では重賞ではなかなか厳しいのではないか。
3着グルーヴィットは前に行った分で好走できたが、高松宮記念の走りと比べると物足りない。高松宮記念や中京記念のようにもう少し時計のかかる馬場でもう一度見てみたい。
4着ラヴィングアンサー は近走の走りと比べると好走と言える。過去にもレコードに匹敵する勝ち時計で走れているように、超高速馬場が舞台として合っていたということだろう。今回のように超高速馬場では買っておきたい。
5着セイウンコウセイは先行して馬場の恩恵を受けることができたが、現状の能力が足りずに敗戦。今後も能力的に足りないので消しで良い。
これにて、京王杯スプリングカップの回顧を終了する。
来週は対象レース(芝・古馬・重賞)がないので、オープン特別のメイステークスを予想する。ハンデ戦で特殊馬場の東京ということで、難しい一戦になりそうだ。