2020宝塚記念G1 回顧
堂林が覚醒してて嬉しい。すごく真面目な選手だがら今から和田曲線もあり得るから頑張ってほしい。
さて、今週は宝塚記念を予想したので回顧を行う。
初めに、事前予想を振り返る。
出走馬の近4走指数と追い切り評価は以下である。
JRA芝近4走最大指数
1位 グローリーヴェイズ 84 A
2位 ラッキーライラック 82 A
2位 クロノジェネシス 82 A
4位 サートゥルナーリア 81 A
4位 ワグネリアン 81 B
4位 スティッフェリオ 81 B
7位 ブラストワンピース 80 B
8位 カデナ 79 B
9位 ペルシアンナイト 78 B
10位 キセキ 77 B
10位 メイショウテンゲン 77 B
10位 モズベッロ 77 A
10位 トーセンスーリヤ 77 A
14位 トーセンカンビーナ 76 A
15位 レッドジェニアル 75 A
15位 ダンビュライト 75 B
17位 アフリカンゴールド 73 B
18位 アドマイヤアルバ 67 B
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レース内容
まずは、レースを振り返る。
勝ち時計は2分13秒5。近5年で最も時計がかかっている。馬場は稍重だが、東京競馬場なら重、不良レベルに重たい馬場だった。
ラップタイムは12.3 - 10.9 - 11.4 - 12.7 - 12.7 - 12.4 - 12.4 - 12.4 - 11.9 - 12.1 - 12.3。前半1000mが1分ちょうどで、ペースはかなり流れている。
馬場も重たい中で、ペースも流れたということで完全なスタミナ比べのレースになった。
レース上がりは36.3秒だが、これはクロノジェネシスのタイムであり、上がり2位のキセキでも37.2秒。瞬発力勝負で好走してきた馬には厳しいレースとなった。
また、完全なスタミナ比べで全馬バテバテになったことで、位置取りはあまり関係なく、スタミナのある馬が地力で好走できるレースだった。
指数は90。もちろん2020年の最高指数だ。2019年は有馬記念のリスグラシューが89を出しているがそれをも超えるパフォーマンス。過去を遡っても私が指数を付け始めた近3年では最高の指数だ。クロノジェネシスは超G1級の破格指数だが、2着のキセキで80と平凡なG1級。3着以下は72以下の低値で、オープン特別以下だ。ほぼ全馬が適性外のスタミナ比べでバテてしまい、力を発揮できなかったことになる。クロノジェネシスは上がり36秒台と力を発揮でき、2着から5着も37秒台とここまではバテつつもそれなりに走れてはいる。ただ、6着以下は38秒台と完全に歩いている。クロノジェネシスが強すぎたこともあるが、ほぼ全馬が適性外でバテてしまったことも着差が開いた要因だ。それでは各馬の回顧を行おう。
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1着 クロノジェネシス
「成長分あり。スタミナ比べでは現役最強。」
平均的なスタートから中段の外外を追走。折り合いは若干欠いていたがパフォーマンスに問題はなかった。3、4コーナー中間では抜群の手応えで捲り気味に上がっていくと、直線では楽々抜け出し2着に6馬身差の完全勝利。指数も90と破格であった。
好走の要因としてはタフな馬場でのスタミナ比べで適性のど真ん中だったことだろう。バゴ×クロフネという血統からもスタミナ比べが得意なことが言えるだろう。
さて、これで近3走は82→81→90といずれもG1勝利級の指数だ。この指数の流れを振り返るとまずは京都記念の82では当時のベスト更新だったが、重馬場でスタミナ比べになったことで得意条件での好指数だ。前走の大阪杯は81とほぼ同指数だったが、高速馬場の瞬発力勝負だった。このレースを見る限り、高速でもタフでもどちらもこなせるタイプのように思えるが、今回の破格のパフォーマンスを見る限り前走は苦手条件だったように思う。前走時点でも成長分は感じられていたので、86ほど出せる力は持っていたのが、苦手の瞬発力勝負で指数を落とし81に落ち着いたという認識だ。そして、今回は再度追い切り抜群で更なる成長分があったことと、馬場が完全に向いたことで指数90を出したということだ。
さて、今後だがスタミナ比べになれば指数90以上で、現役馬では敵なしである。圧倒的大差で勝利するだろう。瞬発力勝負の場合は、大阪杯の81が基準になる。苦手条件で指数は落とすだろうが、それでも能力上位でG1勝ち負けレベルである。得意条件なら確勝、苦手条件でもG1勝ち負けレベルということで、まさに現役最強馬と言っていい。また、近走で成長しているようにまだ上昇余地ありで更なる成長にも期待できる。
また間隔を空けてもいきなり好パフォーマンスを出せる馬なので、いきなり秋G1直行でいい。また、今年は登録していないので出ないみたいだが、来年は凱旋門賞に出てほしい。日本馬で勝てる最大のチャンスになりそう。
2着 キセキ
「折り合いがついて能力を出し切ることができた。」
スタートは悪く後方からの競馬。だたし折り合いの観点からは後方からになって良かった。道中は馬が行きたがる様子もあったが、武豊騎手が上手く折り合いをつけた。3コーナーからはクロノジェネシスとともに捲り気味に進出していった。クロノジェネシスは圧倒的だったので、6馬身差をつけられたが、キセキも3着に5馬身差をつけており、力は出し切れたと言える。指数は80でG1級のパフォーマンスを出すことができた。
過去には高速瞬発力勝負で84を出していることから、瞬発力勝負がベスト条件なのは間違いないが、ベスト条件でない中でよく頑張ったと言える。昨年の宝塚記念で79なので1年経ってほぼ能力変わらずと言ったところか。近2走は折り合い難で力を出し切れていなかったが、その間にも衰えてはいなかったということだ。
さて、今後だが、この馬は瞬発力勝負がベストだが、スタミナ比べでも80ほどが出せるあたり、ほぼ馬場不問と言っていいだろう。今なら出遅れがあるので、高速馬場なら後方からレースにならない可能性もあるので、スタミナ比べの方が結果は出しやすいかもしれない。相手関係次第ではあるが、G1でも2、3着ぐらいの力は持っているし、武豊騎手との手も合ってきたので注目していきたい。
3着 モズベッロ
「斤量増に対応できなかった。」
後方追走から馬群で脚を溜め、直線では外に出した。前にいた2頭とは力の差は明確で、着差はかなりつけられてしまったが、他の15頭はバテて沈んだので、バテ差しのような形で3着確保となった。ただし、この馬自身もバテており指数は72の低値。他馬が沈んで繰り上がり3着なので力を示せた訳ではない。
さて、58kgを背負った前走が72、同じく58kgの今回も72ということで、指数は維持である。今回も斤量増には対応できずで、まだ58kgを背負っては重賞で通用するレベルにはないということだ。ただし、追い切りから上昇を見込んでいたので、スタミナ切れで指数が出し切れなかったとの見方もある。もう少し軽めの馬場なら75程度は出せていたかもしれない。いずれにせよ、58kgを背負っては現状ではまだ通用するレベルではないが、基本的にはまだ上昇途上なので今後の成長に期待したい。
4着 サートゥルナーリア
「スタミナ比べで力が出せなかった。」
中段追走から直線は外に出していったが、全く伸びることができず4着まで。指数も69と完敗だ。スタミナ比べが適性外で指数を大幅に落としたということだ。
近4走指数を見ると81→78→80→79であるが、まずベストは神戸新聞杯の81で上がり32.3秒の瞬発力勝負だった。また、前走の金鯱賞では58kgを背負って79を出し、斤量を考慮すると実質ベストは前走だろう。これもかなりの瞬発力勝負だった。このように基本は瞬発力勝負がベストパフォーマンスを出せる舞台だ。
有馬記念でも80を出せているように、タフな馬場もそれなりにこなせる馬ではあるが、有馬記念ではこの馬の上がりが35.4秒、今回が37.6秒ということで重さのレベルが違った。上がり35秒台くらいまでならそれほど指数を落とさず、対応できるがそれ以上になると適性外で指数を大幅に落とすという認識で良いだろう。
さて、まず今回は適性外なので度外視で良い。今後だが、今回のような極端なスタミナ比べにならなければ、まず指数80前後で走れるだろう。この程度の指数であればG1でも2、3着ぐらいは狙えそうである。能力は安定傾向で上昇余地は小さいが、相手関係次第ではG1でも狙っていきたい。
5着 メイショウテンゲン
「後方から物理的に差し損ねた。」
後方待機で直線は外を追い込むも5着まで。スタミナ比べのバテ差しが得意なこの馬に舞台は合っていたのだが、後方から物理的に届く位置ではなかった。また、そもそも能力的には足りない馬であり、斤量58kgにも対応できなかったと言える。6着以下が上がり38秒以上と歩いているので、繰り上がりで5着まで来れたということだ。指数は65の低値。
今後だが、馬場的にはもっと重くても大丈夫で、スタミナを生かすために3000m以上の長距離の方が望ましい(本当は4000m、5000mなどの超長距離が良いのだがレースがない)。ベストはスタミナ比べのバテ差しなので、長距離で馬場悪化した時には狙いたい。
6着 ラッキーライラック
「スタミナ比べは適性外」
スタミナ比べで完全に脚を使い果たしてしまい凡走。指数も65の低値だ。この馬は近4走でエリザベス女王杯で81、大阪杯で82とG1を勝利しているが、いずれもかなりの瞬発力勝負だった。今回のスタミナ比べは完全に真逆のレースであり、力を出せるはずもなかった。
今回は適性外ということで度外視で良いし、今後も瞬発力勝負なら80以上の指数が出せるだろうから、再びG1で狙っていきたい。また、特徴として叩き良化型であるので、休み明けの前哨戦はやや軽視で良い。
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7着 トーセンスーリヤ
「斤量増に対応できなかったし、スタミナ比べでバテてしまった。」
逃げを打ったが今回の展開では残るのは難しかった。指数も62と低値。前走は54kgで77と好走したが、馬場悪化分と斤量増化分で指数を落としたということだ。
今回は馬場が重すぎて完全に適性外なので度外視でよい。今後だが、前走を参考にすると定量戦ではまだ重賞で通用するレベルにないだろう。一応まだ成長余地はありそうなので、今後の成長には期待しておく。
8着 トーセンカンビーナ
「スタミナ比べで力を出し切れなかった。」
ほぼ最後方からの競馬。この馬は2走前の阪神大賞典でも最後方からのバテ差しで2着と好走しているので、今回のような展開は歓迎のはずである。だが、あまり上がりのかかるレースになったことで、この馬自身もバテてしまった。そもそも今回の馬場で差しを決めるのは難しいし、物理的に届きようのない位置ではあるのだが、この馬自身も伸び脚を欠いている。スタミナ比べで脚を使い果たしたということで指数も61の低値だが度外視で良い。
今後だが、近走を参考にすると2走前の76がベストであり、この指数ではまだG3程度までのレベルだ。また、基本的には後方一気であり取り零しリスクの大きい馬だ。一応上昇傾向ではあるが、狙うかは相手関係と差しが決まる馬場かどうか次第だ。
9着 ダンビュライト
「スタミナ比べで力を出し切れなかった。」
重たい馬場で先行していたが、完全に脚を使い果たしてしまい失速。指数も59の低値だが、スタミナ比べに適性がある馬ではないので度外視で良い。
今後としては近4走ベストの75が基準となる。まずこの指数ではG3で馬券になるレベルで、勝ち負けは難しいだろう。
10着 レッドジェニアル
「スタミナ比べで力を出し切れなかった。」
中段追走から追い込むも、タフな馬場と流れた展開で脚を使い果たしており、力を出し切れなかった。指数は58の低値だが度外視でいい。
さて、今後だが、実はかなりこの馬には期待している。近4走は68→69→72→75と着実に力をつけているのだ。相手関係で着順は地味だが、まだ成長も続くだろうし、今回の追い切りも抜群だった。適性外の凡走の陰で成長しているだろうし、次走あたり狙い目になるのではないか。
11着 スティッフェリオ
「ペースが流れて脚が溜まらなかった。」
スティッフェリオは馬場がタフな分は基本的に問題ないタイプの馬である。今回は馬場要因ではなくペース要因の凡走だ。この馬は馬場は関係なく、脚が溜まってしまえば好走できる馬である。今回はというと1000mが1分ちょうどと馬場を考えたらハイペースである。このペースでは脚が溜まらず、最後は一杯一杯になってしまったということだ。
さて、今後だが、基本的には75程度であり重賞では足りない。ただし、天皇賞・春では一度だけ81の高指数を出しており、長距離に適性はありそうだ。あまり再現性はなさそうだが、長距離では狙っておきたい。
12着 カデナ
「スタミナ比べで力を出し切れなかった。」
最後方追走から末脚にかける展開だったが、物理的に届く位置ではなかった。ただし、この馬自身もバテており、適性外のスタミナ比べで脚を使い果たした結果と言える。今回は度外視でいい。
今後だが、まずは前走の79という指数が基準となる。能力的には近走上昇傾向であり、大阪杯4着とあるように実力はある。ただし、常に後方一気の馬であり、脚を余しがちま馬である。その辺考慮しながら展開が合いそうな時にはG1でも3着ぐらいまでは狙ってみたい。
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13着 ワグネリアン
「先行して脚を使い果たした。」
2番手追走という積極的な競馬。狙いは良かったのだが、今回に関してはペースが早すぎた。最後は脚が一杯になり沈んでしまった。馬場が悪いだけなら、ジャパンCの重馬場を熟せているので問題はないだろうが、ハイペースを刻んでは流石に厳しかったか。
さて、今後だが、まずはベストパフォーマンスを出せる高速馬場で狙っていきたい。能力だけならG1級だし、今回前に付けれることを示せたのも朗報である。高速馬場で前目の積極的な競馬を見たい。
14着 アドマイヤアルバ
「能力が足りなかった。」
後方追走から全く伸びず凡走。馬場が重くて脚を使い果たしたこともあるだろうが、持ち指数67では基本的に能力が足りておらず、G1で好走できるレベルにはない。今後もオープン特別で通用するレベルにはないので、まずは力をつける必要がある。
15着 ペルシアンナイト
「重たい馬場で距離も問われて厳しかった。」
3番手追走だが、早いうちに一杯一杯になってしまった。そもそもマイルで戦ってきたこの馬にとって2200mは明らかに長いし、それでいて馬場もタフなので距離が問われている。適性外での凡走で度外視でいい。今後だが、まず基本的に能力が下降線でもあるので、今のレベルなら重賞では足りないだろう。
16着 ブラストワンピース
「重たい馬場が厳しかった。能力も下降線だ。」
さて、5番手追走だったが、早めに脚がなくなり16着と大凡走。この馬は過去にも有馬記念や札幌記念など重たい馬場で好走してきた馬である。ただし、今回はハイペースもあったし、スタミナが問われる度合いはこれまでとはレベルが違った。ブラストワンピースにとっても馬場が重すぎたということで、ほぼ全馬が歩くレースになったのも納得だ。
凡走要因に馬場もあるが、能力的に下降線というのもある。これに関しては事前予想で想定した通りなのでここでは詳細は省略する。今後としては、まずG1で通用するレベルにはもうないだろう。現状でG2,G3レベルまで、さらに下降線をだどれば間も無く、重賞では戦えなくなると思う。
17着 グローリーヴェイズ
「スタミナ比べで力を出し切れなかった。」
後方追走からスタミナが問われて全く伸びることができず17着と凡走。昨年の天皇賞・春で84を出し、スタミナ十分な馬なのだが、今回に関してはこの馬の適性範囲を超えるスタミナ比べとなってしまった。基本的には長距離の綺麗な馬場が最も得意とするところだろう。
今後だが、基本的に能力はG1級なので、今回のように極端な馬場にならなければG1でも狙っていきたい。
18着 アフリカンゴールド
「スタミナ比べで力を出し切れなかった。」
中段追走から完全に脚が無くなってしまい、最後は歩いていた。馬場がこの馬の適性範囲を超えた重さだったこともあるが、基本的に能力が足りていないので、馬場関係なくG1で戦えるレベルにはいない。
今後だが、現状の能力ではオープン特別で複勝圏内確保レベルといったところか。重賞では能力的に足りないだろう。
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まとめ
前日の雨と当日レース直前の雨でかなりタフな馬場状態となっていた。さらに、展開的にもハイペースであり、多くの馬が道中で脚を使い果たすレースとなった。実際に能力を出し切れたのは上位3頭程度で、4着以下は完全に歩いていたと言っていいだろう。度外視で良い。
1着クロノジェネシスはこのような馬場状態がベストであり、スタミナ比べでは現役最強であると言ってもいい。また、今回のレースを熟せれば、欧州のスタミナレースにも対応できるので凱旋門賞向きとも言える。2着キセキは着差はつけられたが、G1級の指数で走れており、近走折り合い難で凡走が続いている間にも能力は錆びていなかったということだ。武騎手も折り合いが怪しい中でうまく操縦できている。3着モズベッロは58kgを背負っては基本的に能力不足である。この馬のレベルで3着は通常考えられないのだが、他馬がほとんど歩いていたことで繰り上がり的に3着に入れている。ただし、キセキに5馬身離されており、指数としてはオープン特別レベルにである。4着以下も完全に適性外であり、サートゥルナーリア、グローリーヴェイズ、ワグネリアン、ラッキーライラック、カデナら実力馬達が能力を出し切れる展開にならなかった。このような、ほぼ全馬が力を出し切れない状況ではクソレースになってもおかしくないのだが、クロノジェネシスがグランプリレースの格を守ってくれた形となった。
馬券としてはクロノジェネシスを本命にしておきながら、対抗以下印を打った馬が凡走でハズレとなった。ここまでスタミナが問われることを想定できなかったことが敗因だ。スタミナが問われた要因はタフな馬場×ハイペースの相乗効果であり、タフな分は直前のレースや雨の状況を見ていれば分かるが、ペースがここまで流れるとは思っていなかったので、ペースが誤算であった。まずは、敗因を消化できたので良しとしたい。
さて、これにて2020年上半期の競馬が終了した。半年間ブログを書いてきたがあまり本意な結果は得られなかった。下半期も引き続き芝、古馬、重賞に関して記事を書き続けていくので巻き返したいところだ。まずは、上半期これまで見ていただいた方、ありがとう。