2020金鯱賞 G2 回顧
コロナの影響による世界同時株安が底を打ったように見えるけど、果たして本当に底なのだろうか。投資の格言に「総悲観は買い、総楽観は売り」というのがあるけど、今回はまだ総悲観と呼べるほど暴落したようには思えないんだよな。少なくとも自分はまだ楽観的だから、まだ落ちる。
さて、今週は金鯱賞と中山牝馬ステークスを予想した。回顧を書いていく。
中山牝馬ステークスの回顧も書いたので以下に貼っておく。
それでは、金鯱賞の回顧を行っていこう。
初めに、事前予想を振り返る。
そして、事前予想の指数と追い切り評価は以下である。
1位 サートゥルナーリア 81 A
2位 サトノガーネット 76 B
2位 マイネルファンロン 76 A
4位 ラストドラフト 75 A
4位 ロードマイウェイ 75 A
6位 ギベオン 74 B
7位 ダイワキャグニー 73 B
8位 ケイデンスコール 72 B
8位 サトノソルタス 72 B
8位 ニシノデイジー 72 A
8位 ジュンヴァルカン 72 B
12位 ブレスジャーニー 71 A
続いて、最終予想と買い目を振り返る。
◎ラストドラフト
◯サートゥルナーリア
▲ロードマイウェイ
馬連 ◎ー◯ 1100円(本線)
馬単 ◎→◯ 200円
三連単 ◎◯→◎◯→▲ 各100円
金額からも分かるように、本命対抗の馬連が本線だ。
予想の意図を書いていこう。
まずは馬場だが、昨日の雨の影響もなく時計の出る高速馬場だった。そして、スロー濃厚なメンバーなので、ある程度位置を取れて、瞬発力に長けた馬を選択した。
本命はラストドラフト。
2走前に、指数ベスト更新の75。前走では不利を受けながらも指数据え置きの75で、不利の度合いから実質79〜80程度と判断した。今回も追い切りは良かったので、サートゥルナーリアを逆転可能なのはこの馬のみということで本命にした。
対抗はサートゥルナーリア。指数81はメンバー1位で、追い切り面からも不安なし。左回りも58kgも問題ないとして、対抗とした。
ラストドラフトとサートゥルナーリアの力関係はやはりサートゥルナーリアの方が上であるのだが、ラストドラフトが11.4倍でサートゥルナーリアが1.3倍。ここまで人気に差が出るほどの力の差ではないと判断して、オッズ込みでラストドラフトを本命とした。ただし、ラストドラフトの上昇分は不確定要素なので馬連を本線とした。
この2頭は、優勝想定ラインに設定した80をクリアできるとしての本命対抗だ。馬連には自信があった。
そして、3番手評価はロードマイウェイ。前走指数が75で、能力を発揮できればメンバー3番手が妥当である。ただし、レースを使って指数を上げてきた馬にとって休み明けが鬼門であること、前走出遅れていること、2kg増、最終追い切りがやや軽め。など死角が多く見受けられたので、3着付けのみとし、この馬が来なくても本線が当たるように馬券を組み立てた。
逆に、3着内推定ライン75を超えていて消した馬は、サトノガーネットとマイネルファンロン。
サトノガーネットはスロー濃厚の今回は展開が向かないとして消し。マイネルファンロンはスピードレースへの対応力と2kg増で評価を下げ、消しとした。
結果は、
1着 サートゥルナーリア ◯
2着 サトノソルタス 無
3着 ダイワキャグニー 無
4着 ギベオン 無
5着 ラストドラフト ◎
と言うことで、ラストドラフトが5着なので馬券は外れだ。外れた原因を含めて回顧を行っていこう。
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レース内容
まずは、レースを振り返る。
昨日の雨の影響はなく、時計の出る高速馬場だった。
勝ち時計は2分1秒6。
ラップタイムは、12.9 - 11.8 - 13.2 - 13.0 - 12.7 - 12.4 - 11.8 - 11.2 - 11.1 - 11.5
前半1000mー後半1000mは63.6-58.0で、5.6秒も後傾となる超スローペース。
事前予想でも、メンバー構成からスローになると予想はしていたが、ここまでペースが落ちるとは思わなかった。
そして、馬場は先週までの差し馬場から一転、先行or差しがフラットの馬場だったので、このスローペースなら当然前にいるほど有利であり、ベストポジションは逃げ馬だ。
これほどのペースならば、前が止まらないので、能力が足りなくても前にさえいれば勝負になる。実際、ラストドラフトは上がり2位で差し損ねの5着。上位4頭は全てラストドラフトよりも前にいた馬だ。ラストドラフトは上がり2位だが、本当の上がりであるラスト200mでは最速タイムを出しているので、完全に脚を余した結果と言える。
このように、スローの瞬発力勝負では脚を余すことが多発するため、能力通り決まらないことが多い。したがって、ここまでドスローになることを予想できていなかったことが敗因だ。
ただ、この敗因は解決が難しい。なぜなら、ここまでドスローになるのは予想できなくもないが、ここまでスローになると予想するのは合理的ではないからだ。したがって、今回ペース要因で外したことは問題ない。回避不可能な敗戦だったと消化することにする。
強いて言えば、ルメールと吉田隼人騎手のペースを読む力の差で評価すればサートゥルナーリアで勝負できた。ただ、それを評価してサートゥルナーリア単勝を買っても 1.3倍じゃ面白くないでしょう。だから、人気込みで吉田隼人騎手に期待したということである。
レースの質としては、100%瞬発力だけが問われたレース。
そして、何よりも前にいなければ勝負にならないレースだった。めちゃくちゃに上がり補正が入ったので指数の算出が大変だった。12頭中9頭に上がり補正が入る異例のレースとなった。
レースレベルとしては、勝ち馬の指数は80。勝ち馬はG1級だ。優勝推定ラインとしていた80をぴったりクリアしてきた。
馬券的な敗因はペースということだが、各馬の回顧も行なっていこう。
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1着 サートゥルナーリア
「休み明けから仕上がりも良く、ルメール騎手も上手く乗ってくれた。」
これまでの指数ベストは神戸新聞杯の81。今回は80で指数2位タイだ。ただし、神戸新聞杯は56kgで今回が58kgだ。斤量を考慮するとベストパフォーマンスと言っていい。
また、これにて左回り苦手説も払拭された。やはり、左回り自体に問題はなく、過去の敗戦はレース間隔が狭まったことによる入れ込みなどが原因ということで良いだろう。
レースを振り返ろう。
中段よりやや前の好位に取り付け、ルメール騎手が促すと抜群の手応えで前を捕らえにいった。追ってからの反応もよく、ムチを一発も入れることなく楽勝だった。位置取りも前が届く位置をルメール騎手が計算しており、普通に好騎乗だった。
今回はこの馬にとってはたかがG2勝利だが、58kgと左回りを克服して最後は流して80という高指数を叩き出しており、次のレースの選択肢が広がる大きな1勝だ。
現状、このパフォーマンスでG1を戦える馬であるし、有馬記念で好走したように馬場が渋っても問題ない馬である。どのG1に出てきても最有力となることは間違いないだろう。
また、ダービーと天皇賞秋の敗因が、レース間隔が短くなったことによる入れ込みの影響だとはっきりしたので、今後は間隔を上けて使っていけば良い。神戸新聞杯と今回、休み明けで好走したように、休み明けからいきなりベストパフォーマンスを出せる馬なので、前哨戦なしのG1直行の繰り返しでいいと思う。
2着 サトノソルタス
「成長分と展開利で好走できた。」
近4走の指数は、67→64→70→72と上昇中の馬で、今回もベストを更新し74だ。5歳馬だが、長期の休養があったので、まだ8戦目とフレッシュ。まだまだ上昇は可能ということだ。
今回は、2kg増もあって3ポイント増ということでやや上げすぎではあるが、4コーナー3番手の好位を取れたためという判断で良い。
今回は、恵まれこそしたが、指数ベストを更新しており、まだまだ上昇途上なので今後も楽しみな1頭である。
3着 ダイワキャグニー
「ほぼ能力通り走った。」
今回指数が72。これまでのベスト指数も73だったため、今回ほぼベストパフォーマンスが発揮できたと言える。その要因は、何と言ってもスローペースだ。逃げてこのスローペースを作った馬であるから、一番に恩恵を受けることができたというわけだ。
ただ、ベストパフォーマンスで73なので能力的には足りていない。得意の東京競馬場ならベストタイでなく、更新まであったと思うので、やはり東京のオープン特別ならではの馬だと思う。
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4着 ギベオン
「スローの瞬発力勝負は得意。良い位置も取れた。」
近4走の指数は74→74→69→69だ。
2走前はドン詰まりが敗因。前走は斤量と思いきや、57.5kgでも好走した実績があるのでそうではない。今回、CW追い切りに戻してきて好走したために判明したことなのだが、前走はCW追い切りで負荷をかけれなかったことが敗因だろう。
今回は、それらの要因もなく指数を戻してきて、指数ベストタイの74だ。
好走の要因としては、4コーナー3番手のインという好位置を取れたことと、瞬発力勝負を得意としているこの馬にとって脚が完璧に溜まりきったことの2点があるだろう。
今後はというと、今回の指数74では重賞で勝ち負けできるが、今回は展開が向いての74なので次走下げる可能性の方が高いだろう。重賞では馬券内が精一杯という認識だ。
5着 ラストドラフト
「後方からで脚を余してしまった。」
今回は5着と敗戦だが、上がり200mでの補正が入ったため、指数は74。これは2着サトノソルタス、4着ギベオンと同値だ。脚を余した分で、着順が下になったということだ。
上がり補正が入って75だが、もっと前にいても同じ脚を使えた可能性が高く、位置取りで2ポイントほどは損していると言える。前にいてもサートゥルナーリアには及ばなかっただろうが、前にいれば他の馬には負けなかっただろう。
したがって、能力面で、この馬とサートゥルナーリアの馬連を本線にしたことは正しかったと言える。あとはペース読みだが、それについては既に記載済みなのでここでは書かない。
レースを振り返ろう。
好スタートを切ったが、レースを進めたのは中段。4コーナーでは外を回し前を捉えにいったが、この馬より前にいた馬が33秒台の脚を使えるレースでは届くはずがなかった。
ラスト200mは最速での敗戦なので、完全に位置取り要因の敗戦と言える。
また、サートゥルナーリアとの差は反応の良さもある。サートゥルナーリアは追ってからすぐに反応したが、この馬は反応が鈍かった。だが、近2走はマーフィー騎手が上手く乗っていたためか鈍くは見えなかったので、その辺の見落としもあった。
これで、3走続けて75という指数であるが、前走は不利を受けたので実質79〜80程度。今回は前目に位置取れても77ほどだろうから、前走からの1kg増加分とマーフィー騎手から吉田隼人騎手への鞍上弱化で実質パフォマンスを低下させたと言えるだろう。
また、前走タフな馬場でパフォーマンスを上げたことから、前走の回顧では「良馬場ならもっと強くなっている可能性もある」と書いたが、その可能性について判断ができた。結論としては、「重馬場でパフォーマンスを落とす馬ではない」ということ。前走苦手なりに走ったのではなく、それほど苦にしなかっただけということ。前走の馬場を苦にして79なら、今回良馬場で80は出せるはずだからな。今回のパフォーマンスを見る限りは、この認識でいい。
今回、サートゥルナーリアを上回る可能性があるとして本命にしたのは、この仮説によるものである。結果的には、仮説が否定されたが、レース前にはわからないことなので期待値込みで本命にしたことは誤りではない。
今後としては、若干成長が止まった感もあるが、この指数なら重賞では十分勝ち負けになる。だが、G1で戦うにはもう一歩成長が必要だ。
6着 ニシノデイジー
「能力が足りなかった。」
後方からの競馬になったが、4コーナーでインコースを進んだことで、直線でラストドラフトよりは前の位置を取れた。ギリギリ勝負になる位置ではあったが、そこから伸びきれずの敗戦。指数ベストは72で今回は70。ベストに匹敵するパフォーマンスは出しているが、この指数では能力が足りない。今後は、この指数ではオープン特別でも若干足りない。重賞では勝負にならないだろう。
7着 ケイデンスコール
「位置取り的にも厳しかったが、そもそも能力が足りていない。」
近4走指数は、72→63→55→69で今回は69。持ち指数の範囲で走っているが、この指数では能力的に足りていない。この馬も重賞では厳しく、まずはオープン特別からだろう。
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8着 マイネルファンロン
「状態も良く、好意も取れたがスピード性能が足りなかった。」
ベスト指数が76で追い切りも良かった。ベスト時から2kg増こそあるが、この位置ならば勝負になる、と言いたいところだが、ベスト時は上がりのかかる馬場であった。
今回は、トップスピードの勝負になり、スピードが足りずについて行けないことによる凡走と言える。とは言え、上がり34.7秒は失速しすぎなので馬が終わっている可能性も高い。
9着 ブレスジャーニー
「後方からでレースに参加していないが、能力も足りていない。」
直線ほぼ最後方からになった。この位置で今回のスローペースでは、レースに参加していないようなものだ。仮に前にいても能力的には足りていないが。
10着 ロードマイウェイ
「後方からになりレースに参加できていない。」
ゲートこそ普通に出たが、行き脚が鈍く、後方からのレースとなってしまった。
4コーナーでもそのままの位置取りであり、勝負になる位置ではなかった。
出遅れリスク、2kg増、最終追い切りが軽め、使って好走してきた馬にとって休み明けは鬼門で、成長がリセットされている可能性もある。など、不安要素も多くある中で、普通に凡走であった。
5連勝で見栄えもいいので過剰人気でもあったし、これだけ不安要素があるなら消しちゃって良かったかなとも思った。強いて馬券的なミスを上げるならこの馬を買ってしまったことかな。
今後を考えると、後方からになったため現状の能力は判断できなかった。
ただ、連勝中の上がり馬が休み明けで凡走するということは、経験値がリセットされているというパターンが多い。56kgに対応できたとも言えないため、一度好走の気配を見せるまでは静観で良い。
11着 サトノガーネット
「後方からになりレースに参加できていない。」
この馬は常に最後方からなので、位置取りが悪かったというのは結果論でしかない。
展開がはまった中日新聞杯では勝てているわけだから、自分の競馬に徹して展開が合うのを待ち続けるだけでいいだろう。今後も差しが決まる条件では狙っていくことになる。
12着 ジュンヴァルカン
「能力的に足りなかった。」
後方からになり、レースに参加できていない。ただ、仮に前を取れても能力的には足りないので結果は変わらないだろう。
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総括
まず、1着サートゥルナーリアだが、追い切り抜群で得意の休み明けで死角はなかった。左回りも58kgも問題ないことが証明できたので、レース選択の幅が広がる大きな1勝だったと言える。
2着のサトノソルタスは指数上昇中の馬であるが、今回馬券に入るほど上昇させるとは思わなかった。その認識との差を埋めて好走したのは、ドスローで好位置を取れたためというわけだ。
3着ダイワキャグニーは展開利だけで3着だ。指数も平凡なので、能力で好走できたわけではない。
4着ギベオンは脚を溜めて弾けさせるのが持ち味の馬なので、今回のドスローで好位を取れたのはかなり良かった。
5着ラストドラフトは、トップスピードへの加速も若干遅く、位置取りも後方だったため脚を余した形になった。能力はあるのだが、勿体ないレースとなった。
今回は、ペースが想定よりもスローすぎることが直接の敗因となった。スローは想定できても5.6秒も後傾になるとは思えず、こんなペースでは能力通り決まるはずがない。こんな超ドスローを予想するのは、とても合理的とは思えないので、反省しようがない。
今回は、私のメソッドでは的中不可能なレースだったと判断する。したがって、馬券選択でも本線に問題はない。ロードマイウェイを消せば良かったのはあるが、ロードマイウェイ入りの買い目は200円なのでそこまで問題ではない。
あとは、今後も高速馬場でスローの瞬発力勝負になり、能力よりも位置取りで決まるレースは多くあるだろう。こういうレースでは能力よりも位置取りの優先度を上げることで対応しようと思う。
今回の敗戦を野球で例えるならば、オリックスの山本由伸選手の高速フォークをストレートだと思って空振ったみたいな感じかな。(山本由伸選手のフォークはストレートかと思うほどに早いために読み違えたという意。)
今後
今回は、1着サートゥルナーリアは文句なしの圧勝で、G1でも最有力。
2、3、4着は展開的に恵まれた面が大きいので、今回の好走を着順ほど評価はできない、次走過剰人気になるようなら注意が必要。
5着ラストドラフトは能力的には重賞で勝ち負けできるレベルだ。脚を余した今回のレースで人気を落とすようなら狙い続けたい。あとは、前走まではマーフィー騎手でズブさに気づかなかったのだが、今回本当に若干のズブさを見せたので、腕力の強い外国人騎手の方がいいだろう。あとは、ロードマイウェイだが、連勝中の上がり馬は一度指数を落とすと立ち直れないことがよくあるので、好走の気配を見せるまでは静観でいい。
以上で金鯱賞の回顧を終了する。
来週は、阪神大賞典を予想する。ネクストコナンズヒント的なので締めよう。
「ユーキャンスマイルはステイヤーでは無い。」