2020ダイヤモンドステークス G3 回顧
オブですー。今週は京都牝馬S、ダイヤモンドS、小倉大賞典の三重賞を予想した。順番に回顧を書いていく。京都牝馬ステークス、小倉大賞典の回顧も書いたので貼っておく。
それでは、ダイヤモンドステークスの回顧を行おう。
初めに、事前予想を振り返る。
続いて、最終予想と買い目を振り返る。
◎オセアグレイト
◯タイセイトレイル
▲メイショウテンゲン
△タガノディアマンテ
馬連◎ー◯▲ 各200円
馬連◯ー▲ 100円
馬単◎→◯▲ 各100円
三連複4頭ボックス 各100円
三連単◎→◯▲→◯▲△ 各100円
予想の意図を書いていく。
馬場は内外フラット、長距離でスタミナが問われつつも、高速馬場の東京では決め手の部分で瞬発力も問われるとしたが、基本的には指数通り買っていった。
本命のオセアグレイトは成長中かつ斤量減。また、長距離なので1枠1番から出たなりで消耗せずラチ沿いを進んでくれれば勝ち負けになるとして本命。
続いて、前走より確実に状態は上向きのタイセイトレイル。続いて能力順にメイショウテンゲン、タガノディアマンテと選択していった。
結果は、
1着 ミライヘノツバサ 無
2着 メイショウテンゲン ▲
3着 オセアグレイト ◎
4着 レノヴァール 無
5着 タイセイトレイル ◯
ミライヘノツバサは単勝325.5倍の最下位人気であり、正直、レース前に論理で予想するのは無理である。(もちろん、レース後に好走要因を振り返ることは可能なので後述する。)今回は事故みたいなものなので、実質◎▲の馬連を取れていたかもしれないと考えると、予想としてはそこまで的外れではなかったかなと思う。
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レース内容
まずは、レースを振り返る。
勝ち時計は3分31秒2。これは過去5年と比較しても最も速い勝ち時計だ。
ラップタイムを見ていこう。最初の1000m、中盤1200mから2200mまでの1000m、最後の1000mと分けて見ていくと、62.6-61.0-62.8となる。
長距離は大体スローペースになるが、今回はそうはならなかった。距離延長のロサグラウカが逃げて、2番手も距離延長のダノンキングダム。初距離で長距離のスローペースに落とすことができなかったか。また、中盤はバレリオが捲り気味に突いていったこともあり、かなり淀みないラップとなったのだ。
結局、前半と終盤がほぼ同じで、中盤も緩まないペースであり、上がり3Fは38.1秒とかなりタフな展開になった。この距離でこのペースでは先行馬にはかなり厳しい流れと言えるだろう。上がり38.1秒とかなりかかったことは、馬場要因ではなく、ペース要因と考える。
そして、上がりがかかるレースになった結果どうなったかと言うと、上位4頭以外は直線で歩いてしまい勝負にすらならなかった特殊レースになった。後方で溜めに溜めた馬か、本当の長距離スタミナ適性のある馬しかこれなかったということだ。
こんなハイペース気味で流れることは予想できなかったので、その点にも敗因がある。
レースの質としては、100%スタミナ適性が問われたレースとなった。
レースレベルとしては、勝ち馬の指数は77。ハンデG3としては若干高め。
それでは、各馬の回顧を行なっていく。
1着 ミライヘノツバサ
「未来への翼を広げた。奇跡の復活劇で春天へ向かう。」
本当に凄すぎる復活劇だった。もともと10走前の日経賞で指数79を出していたので、能力はある馬ではある。それが、何らかの理由で近9走は発揮できなかったということで、ここまで人気を落としたのだ。その何らかの理由というのが、おそらく屈腱炎による脚部不安だ。脚部不安で全力を出し切れないレースが続いていたが、その間にも心肺機能等の能力が落ちているわけではなく、今回脚部不安が完全に払拭されて激走したのだと思う。
あと、好走した日経賞は上がりのかかるタフなレースであった。ただ、近9走は短い距離を走ることが多く、適性外のレースを使い続けてしまったということもある。
この2点の理由で、本質的な劣化ではない理由で凡走が続いていたということだ。
正直、この9戦の敗戦を的確に分析して、論理で今回この馬を買える人はいないだろうな。
レースを振り返ろう。
まずは、木幡巧也騎手の騎乗は完璧だった。4コーナーで外に回さず、直線で馬群を捌く全くロスのない競馬だ。それでいて、後方で脚を溜めれていた。さらに、得意なスタミナ比べになり、全てが揃っての好走と言える。
今回の指数は77で、この指数ではG1天皇賞ではちょっと足りないかな。天皇賞では流石にもっと強い馬も出てくるからな。ただ、奇跡の復活劇からのG1制覇を見てみたい。馬券はともかく純粋に応援したいな。
2着 メイショウテンゲン
「タフな流れのスタミナ比べは得意。ハナ差の命運を分けたのは4コーナーで外を回した点。」
今回指数は77。前走は脚を余して72で、今回は脚を余さず使い切った。また、追い切りでもしっかり負荷をかけられていた明け4歳馬ということを考えると、5ポイント上昇の自己ベスト更新は妥当だろう。
ミライヘノツバサにハナ差先着を許したのは、コーナーで外をぶん回した点と考えて良い。むしろ、大外ぶん回しで、この指数を出せた点を評価する。成長中ということもあり、天皇賞春でも大いに期待したい。
3着 オセアグレイト
「淀みないラップで脚がたまらなかった。」
スタート後に若干押していったこともあり、好位でレースを運ぶことができた。通常のダイヤモンドステークスでスローになれば、この馬の位置がベストポジションになるはずである。むしろ、内でじっと動かず脚を溜めていて良い騎乗だったと思う。
ただ、今回はかなり流れた特殊レースだと言えるので、結果論的に後方で脚を溜めるのが良かったということになった。もちろん、早いと感じ取って徐々にポジションを下げるなどができるに越したことはないが、なかなか難しいことである。
と言うことで、ペース要因で位置取り的に厳しくなり最後は脚が一杯になってしまったこともあり、指数が72とあまり出なかった。
ただ、この厳しいペースで完全に垂れることなく、3着まで粘れた点を評価したい。今回、指数が出なかったのは厳しい流れのためなので度外視可能だ。もう少し流れが向けばもっと指数は出るだろう。
今回は、ペース要因で指数を落としたが、基本的には上昇中なのでまだまだ将来を期待したい1頭だ。
4着 レノヴァール
「中段でじっと脚を溜めれたのが良かった。」
今回指数は72でベスト指数を1ポイント更新。中段で脚を溜めたのも良かったが、横山騎手が800mのロンスパで脚を使い切っており、好騎乗だったと言える。
ベスト更新ということで、このようなタフな流れからのバテ差しがはまったと言える。
しかし、上位2頭には離されており、メンバーレベル的に4着であるだけで、指数72はオープン特別レベルである。さらに力を付けなければ重賞では足りない。
5着 タイセイトレイル
「タフな流れで最後は脚が止まった」
タフな流れが厳しく、最後は脚が止まってしまった。ここまで上がりがかかるレースは適性外だ。
というか、タイセイトレイル含め5着以下12頭は、全馬余力がなく、全馬直線で歩いている。すなわち、このレースで自分のパフォーマンスを発揮できたのは上位4頭だけで、5着以下は完全に止まっているので、5着以下の敗戦は完全に度外視で良い。
むしろ、タイセイトレイルは残り200mぐらいまではもったので、適性外ながらよく頑張った方だと思う。次走に向けて上積みもありそうなので、度外視して次狙いたい。
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6着から16着
ちなみに、このレースを特殊レースと呼んでいるのは、ペースを見てというのもあるが、16頭中4頭しかパフォーマンスを発揮できなかった点においてである。
ペースが早いだけなら後方で溜めた馬に向くはずだが、この長距離でハイペースで、後方にいたはずの馬も一杯一杯になったのを、特殊レースと呼んでいるのだ。だから、6着以下もほとんど同じコメントしか書けないがそういうことだし、6着以下の着順にはほとんど意味がない。だから、このレースを持って6着以下の馬の能力が足りないとかは語れないし、6着以下も今回の敗戦に関しては度外視可能である。一応コメントを書いていくが、あまり内容のある回顧はできないのでここからは流し読みで構わない。
6着 ステイブラビッシモ
「タフな流れで最後は脚が止まった。」
この馬も普通に脚が止まってしまってレースにならなかった。
止まった中でも後方にいただけマシで、52kgという軽斤量もあって6着までこれた。
ただ、上位とは離されており、評価できる6着では無い。
7着 タガノディアマンテ
「タフな流れで脚が止まった。斤量増を克服できるだけの成長分はなかった。」
ゆったりしたマイペースで最後方からレースを展開した。ただ、後方すぎて残り1000mからロンスパを仕掛けざるを得なくなった。この展開であれだけスパートをかけていったら並みの馬では耐えられない。この馬も人気は圧倒的だったが、指数は平凡で過剰人気感があった。結果的に並みの馬だったので、最後には脚が止まってしまった。
前走は軽斤量で好走できたが、2kg増を克服するだけの成長分はなかったように思う。ロンスパで無理したとはいえ、成長分があったらこんなに負けることはないと思うので。
8着 サトノティターン
「後方で脚を溜めたが、最後には一杯になった。」
サトノティターンノコメント通り。
これまでダートの中距離を使っていた馬が、なぜいきなり芝の長距離を使ったのかは不明だが、特殊レースとなってしまったため、芝適性を測ることはできなかった。
9着 ヴァントシルム
「タフな流れで最後は脚が止まった。」
残り300mぐらいでバッタリ止まってしまった。位置取りも前目だったので厳しいだろう。
10着 ウインテンダネス
「タフな流れで脚が止まった。」
タフな流れかつ、能力が足りないのもあって4コーナーぐらいで止まってしまったな。
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11着 ポポカテペトル
「タフな流れで脚が止まった。」
例によってこのコメントしか書きようがない。一応止まった位置は残り400m地点ぐらい。
12着 ロサグラウカ
「タフな流れで脚が止まった。」
この特殊レースを演出したのがロサグラウカ。丸山騎手はペース判断をミスったな。
ただ、勝負を掛けたハイペース逃げはレースを面白くしてくれるので嫌いじゃない。こういう積極策は否定しない。
13着 リッジマン
「タフな流れで脚が止まった。」
このコメントしか書きようがない。
14着 アドマイヤジャスタ
「タフな流れで脚が止まった。」
このコメントしか書きようがない。
15着 ダノンキングダム
「タフな流れで脚が止まった。」
追い切りは良かったのだが、あの位置でこのペースでは、もはや追い切りが良いとか関係ないな。例によって止まってしまった。
16着 バレリオ
「タフな流れで脚が止まった。」
この流れで、良く捲り気味に前を突いていったな。流石に、ミナリク騎手の自爆としか言いようがない。まあ、レースを動かして面白くしてくれたので良いけど。
総括
今回のまとめとして言えることは主に2点。
まずは、ミライヘノツバサの近9走の凡走理由を明確にしなかったこと。これにより、今回は走れる条件が揃ったのに、買い目に入れることができなかった。ただ、これに関してはレース前の時点では到底無理だ。みんなが無理だがかこんなオッズになったのだからな。これを論理で買えたらその人は回収率多分1000%言っている人だ。
2点目は、ハイペースの特殊レースになりほとんどの馬が最後には歩いていたこと。本命のオセアグレイトも能力で頑張ってくれたが、流石に先行しては3着が限界だろう。
メイショウテンゲンとの差はこのペースだろう。正直、このペースを読み切るのも難しく、結果論の話になる。長距離ではスローになると考えるのが、自然な予想だからな。
以上の2点が敗因だが、正直この2点は難しい。仮にスローペースで、ミライヘノツバサも無視できるとしたら、割と思い通りの展開で的中できていたかもしれない。そう考えると、結果的には外したけど、あまり後悔の無い馬券が選択できたと思う。
強いていうなら、タガノディアマンテを外して、◎ー◯▲のワイドを買えたかなーってことぐらいだな。
今後
ミライヘノツバサはタフな流れも合い、久しぶりの好走となった。次も期待したいが天皇賞では足りないかな。というか、今回のメンバー全てにおいて、今のままでは、フィエールマンとかグローリーヴェイズとかには絶対に及ばない。天皇賞春では58kgを背負うのもあるしな。
外を回してハナ差2着のメイショウテンゲンや、厳しい流れの中で先行して粘り込んだオセアグレイトは、明け4歳でまだ上昇余地があるので、どちらかと言えばミライヘノツバサよりこの2頭の方が、入り込む可能性がありそう。それでも、長距離路線最上位メンバーとは絶望的な差があると思った方がいい。これからの成長に期待ということだ。
1回東京開催もこれにて終わりとなった。
来週からは、阪神、中山、中京競馬場だ。
来週は、阪急杯と中山記念を予想する。中山記念はかなり好メンバーが集まったな。